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2020年05月09日

コロナ禍で賃貸物件の賃料を減額した分は寄附金?!<法人税>

新型コロナウイルス感染症の影響で売上減少に苦しむ事業者の中には、賃貸している店舗や事務所等の賃貸料の支払いにも困っているところも少なくない。店舗用物件やテナント等を賃貸する不動産貸付業を営む事業者に対しては、新型コロナウイルス感染症の影響で、同社の物件を賃借している事業者から、「売上が急減しているなか、固定的に支払いが発生する賃料の負担が大変」といった切実な声が寄せられているという。

そこで、不動産貸付業を営む事業者の中には、賃料の減額を求められた場合、契約内容の見直しを行い、今般の感染症の流行が終息するまでの期間に限って、賃料の減額に応じるところもあるようだ。だが、このように不動産貸付業者が取引先等に対して、復旧支援のため、賃料の減額に応じた場合に、その賃料の減額分については、法人税の取扱上、寄附金として取り扱われることにならないのだろうか。

国税庁がHP上で公表している「新型コロナウイルス感染拡大に係る税務上の取扱いに関するFAQ」によると、事業者が、賃貸借契約を締結している取引先等に対して賃料の減額を行った場合、その賃料を減額したことに合理的な理由がなければ、減額前の賃料の額と減額後の賃料の額との差額については、原則として、相手方に対して寄附金を支出したものとして税務上、取り扱われることになると指摘。

しかし、上記のようなケースでの賃料の減額が、例えば、以下の条件を満たすものであれば、実質的には取引先等との取引条件の変更と考えられるので、その減額した分の差額については、寄附金として取り扱われることはないと説明している。その条件とは、(1)取引先等において、新型コロナウイルス感染症に関連して収入が減少し、事業継続が困難となったこと、又は困難となるおそれが明らかであること。

さらに、(2) 不動産貸付業者が行う賃料の減額が、取引先等の復旧支援(営業継続や雇用確保など)を目的としたものであり、そのことが書面などにより確認できること、(3)賃料の減額が、取引先等において被害が生じた後、相当の期間(通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいう)内に行われたものであること、を挙げて、これらの条件を満たすものであれば、寄附金として取り扱われることはないとの見解を示している。

また、取引先等に対して既に生じた賃料の減免(債権の免除等)を行う場合についても、同様に取り扱われる。なお、賃料の減免を受けた賃借人(事業者)においては、減免相当額の受贈益と既に費用計上した支払賃料が同額となるため、結果として課税が生じることはないとしている。


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