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2020年01月23日

海外取引調査で90%増の7千億円の申告漏れを把握<法人税>

企業等の事業、投資活動のグローバル化が進展するなか、海外取引を行っている法人の中には、海外の取引先への手数料を水増し計上するなどの不正計算を行うものが見受けられる。国税庁は、このような海外取引法人等に対し、国外送金等調書や租税条約等に基づく情報交換制度を積極的に活用するなど、深度ある調査に取り組んでいる。2018事務年度は、海外取引法人等に係る実地調査を1万5650件(前年度比▲5.0%)実施した。

この結果、海外取引等に係る非違があったものが4367件(前年度比▲3.0%)把握された。非違があった件数は前事務年度に比べて微減となったが、海外取引等に係る申告漏れ所得金額は89.9%増と大幅増加の6968億円にのぼった。調査1件当たりの申告漏れ所得金額は4452万円となり、法人税調査全体の1件当たりの申告漏れ所得金額(1397万円)の約3.2倍となる。

一方、国税庁では、海外取引に係る脱税や租税回避を防ぐために各国の税務当局と金融口座情報を交換する新制度(CRS)を積極的に活用している。2018事務年度においても、外国税務当局からの金融口座情報の報告によって、海外の代表者名義口座を利用して受取手数料を除外するなどの取引の全貌を解明した事案が明らかになっている。札幌国税局が調査したA社は、金融商品の投資運用業務を営む法人だった。

調査において、A社の代表者のパソコンの現物確認調査を行ったところ、顧客から受け取る手数料を海外の代表者名義口座で受領する契約書のデータを見つけた。また、代表者が海外で保有する預金口座情報をX国からのCRS情報で入手し、その口座に多額の残高があることを突き止めた。こうした事実に基づき、代表者を追求した結果、受取手数料を海外の個人口座で回収することで、収入から除外していた事実が判明した。

A社に対しては、法人税(2年)の申告漏れ所得金額3700万円について重加算税を含む追徴税額1400万円が課されている。なお、2018事務年度における海外取引法人等に係る実地調査では、非違があった4367件のうち、上記のA社のような不正計算があったのは646件で、その不正所得金額は227億円だった。

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